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シリア内戦の落としどころ
シリア内戦に対して、アメリカ・イギリス・フランスは、シリア政府側が反体制派に対して「化学兵器」を使用したとして「空爆」を行ったとの事です。 シリア内戦に関しては、政府側にロシアが、反体制側にアメリカがついており、なかなか解決の糸口が見つけられません。 我々日本人は、どちらかというとアメリカ寄りのニュースを享受するため、「反体制側」に肩入れしてしまいがちですが、本当のところは我々の与り知らないところです。 さらに最近はISIL(自称イスラム国)の活動がおさまってきたものの、同じく反体制派のアルカイダ系「アル・ヌスラ戦線」や「北部クルド系」の反体制活動があり、なかなか収束を見ません。 現在の分かる情報内では、シリア国民の4人に1人は亡命をしているらしいですが、それでもなお多くの国民がそのい命を危険に晒しているところです。 日本のように隣国との口論はあろうとも、なかなか本当の戦乱に見舞われない国にとっては、対岸の火事になりがちな話題ですが、どんな戦時下でもそこには「人間が生活している」という事です。 日本の歴史上でも「内戦」というものはありました。 幕末~明治維新がそうなのかもしれません。 体制派(徳川幕府)と反体制派(明治新政府)が双方とも「大規模な内戦を起こし、諸外国の進出を許すべきではない」という考えの元、「江戸城無血開城」という平和裏な政権移譲が行われました。 これはかなり稀なケースであり、日本がその後も急速に西洋文化を取り入れ、世界の中で確固たる地位を築いている下地になっています。 これを例に見れば、「反体制側の移行を一定に取り入れたアサド政権側の政権移譲」というのが最も平和裏に自体収束できる可能性もありますが、反体制側の主張もはっきりしません。 どこかの時点で、政権側と反体制側が話し合いのテーブルに付かなければ、被害をこうむるのはシリア国民ばかりになります。 中東の話題というと、遠くの国の事情ですが、同じ人間として、早急な解決が見られることを希望しています。
オバマ大統領の「大統領ランキング」
久々の投稿です。 年末を迎え、色々バタバタしていました。 さてアメリカではトランプ大統領による「イスラエル」の首都をエルサレムにするというパンドラの箱を開けるような声明が発表されました。 それによって早速ISの名前を用いニューヨークでテロが起こったそうで、世界が心配しています。 ところで数か月前ですが、アメリカの政治専門情報C-SPANによるオバマ前大統領の「大統領ランキング」が発表されました。 アメリカは現在45代トランプ大統領ですが、歴代大統領は43人(クリーブランド大統領は一人置いて再任)になります。 ある一定期間を設けて、C-SPANを始め様々な情報形態はそれぞれの「大統領ランキング」を発表し、歴代大統領の「政治的公平性」「カリスマ性」「清潔度」「公約達成度」などを数値化しランキングします。 今回初めてこのランキングにオバマ大統領が登場し、堂々の12位を獲得しました。 大統領史研究を趣味としている私からいうとこの12位はすごい結果だと思います。 なかなか退任直後にこの数値は出ないのですが、なにより後任大統領の悪評が続き、「あの時代に戻れたら・・」という感情が少なからず働いたのかもしれません。 近年ではレーガン大統領は10位以内に入る事が多くなっていますが、あとはビル・クリントン大統領が経済政策を評価されて15位前後を上下します。 それを抜いてオバマ大統領の12位はすごいです。 オバマ大統領の任期ハイライトはおよそ2つ。 「オサマ・ビン・ラディンの殺害」と「キューバとの国交回復」でしょう。 前任ブッシュ大統領の「911テロ」や「アフガン侵攻」「イラク戦争」などの大荒れの任期に比べるとインパクトの少ないものですが「平時の大統領」としては重ねて言いますがすごい数値だと思います。 おそらく2009年の「サブプライムローン問題」からの回復も大きな要因でしょう。 この「大統領ランキング」、前任ブッシュ大統領は35位前後を上下する不人気ですが、先ほど挙げたように「平時の大統領」より「乱世の英雄」の方が上位にあがる傾向があります。 1位から3位は「ワシントン初代大統領(独立戦争)」「リンカーン大統領(南北戦争)「F・ルーズベルト大統領(第二次世界大戦)」が占めることが多い事からもそれが伺われます。 あとは比較的「独立の父」とも呼べるアメリカ創世記時代の大統領が上位に、戦後の最近の大統領が中盤に、リンカーン大統領に近い南北戦争時期の大統領が最下位をうろうろするような感覚があります。 先ほど挙げたように戦後および近年ではオバマ大統領を上回るのは35代ケネディ大統領、40代レーガン大統領のみです。 それを考えると大したランキングでしょう。 この大統領ランキング、もちろんC-SPAN以外にも多くの媒体で発表されます。 それぞれでランキングが違いますが、比較的「好意的に受け取られる大統領」として歴史に刻まれるでしょう。 白人*黒人の混血(いわゆるムラート)であり、父親はケニア移民であることから「虐げられた黒人奴隷の子孫」でもないオバマ大統領ですが、アメリカ社会では「1滴でも黒人の血が入れば黒人である」という暗黙のルールの中で、「初黒人大統領」となったオバマ大統領。 失政していたら、今後の黒人大統領誕生に向けて暗礁に乗り上げるところでしたが、結果としては良かったようです。 さて、トランプ大統領。 もちろんトランプ大統領も歴代アメリカ大統領ですので、今後はこのランキングに晒されていきます。 どういった結果になるのか、現在の政治のかじ取りもよく見ていきましょう。