あまり賛成できない頻繁な内閣改造
現安倍政権での「内閣改造」が行われました。
紆余曲折合ったものの、党内である程度の指示のある石破幹事長を内閣の一員に入れ、谷垣法相を自民党幹事長に配置するという事である程度決まったようです。
個人的には「内閣改造」というのは、あまり支持できません。
その内閣改造の大きな意味は支持率の高低関係なく「支持基盤の強化」という1点しか見当たらないからです。
決して「適材適所の人材抜擢」とは言えないからです。
権力を持つ人間の「権力たる所以」が「人事権」です。
内閣の人事権は「総理大臣」にあり、歴代の総理はそれを行使し権力の維持、低支持率の浮上をもくろんできました。
同時に与党自民党内では、総理総裁の留守を預かる「幹事長」が権力者です。
自民党の中での有力権限者が「自民党幹事長」という事です。
前回の総選挙時、自民党議員は「安倍首相を自民党の顔」としたものの、実務においては「石破幹事長の世話になった」という議員も多いと思います。
その状況の中で「石破幹事長」は党内で一定の支持を持っているはずで、前回の総裁選時に「党内票で安倍候補を上回った石破候補」というのは、安倍首相にとっても押さえておきたい人材だったのでしょう。
「自分の党内支持票を上回った人材」という事で、党内ナンバー2の幹事長ポストを与えましたが、なかなか一枚岩になってもらえない。
倒閣運動をされる前に、今後の支持基盤強化のためにはなんとか「幹事長ポストより弱いポスト」か「自分に取り込むか」の2者択一だったのでしょう。
何も減点のない石破幹事長を「閑職」に追いやる訳には行かないので、苦労に苦労を重ね、「閣内取り込みに成功」しました。
もちろんその交換条件は多大なものだったと思います。
おそらく次期総裁選での支持などでしょう。
まぁ、どちらにしても内閣改造は「権力者の権力維持の賜物」という訳です。
しかし今までのどの内閣でもその閣僚任期は1~2年ほど。
小泉内閣が5年ほど続いたときでも、内閣改造は行われてきました。
我々は国民主権として政治家を選び、我々が選んだ政治家がさらに総理を選び、総理が閣僚を選んでいるわけです。
間接的ではあるが、我々国民は閣僚に何を託しているか?
それは行政です。
もちろん閣僚は担当部署のトップになっていきます。
いくら閣僚が知識豊富といえど、専門知識は専門部署で長年働いてきた人にはかないません。
その部署のトップになるべき閣僚がこのように1年足らずでコロコロ変わっていってしまうのは、本当に意味がありません。
その分野のいったいどこを、その組織の一体どこを監督できるのでしょうか?
我々は政権基盤の強化を求めているわけでなく、「適切な行政マネージメント」を求めているわけであり、本当にたった1年弱の任期で何ができるのか疑問です。
逆にこんなに行政のトップがコロコロ変わっていて日本の行政が回っているという事は、よっぽどそのトップの存在意義がない、というのをあからさまに示しています。
今まで事務方の暴走を抑えられず、これまでの「借金大国日本」「年金破たん」「社会保障」「増税」という明るい未来が見えてこない状況を作ってきました。
事務方は一度手に入れた予算を無駄に減額したくないわけです。
それが積もりに積もって、今回の予算案は100兆を超えました。
これは「しょうがない」で片づけられるものではなく、ここまで来るのにいくらでも「防ぐ方法」はあったはずで、それを先送りしてきた「ツケ」なわけです。
もちろんこのような政治家を選んできた国民にも責任はあります。
しかし、結局は国民の期待に応えてこれなかった議員の責任は多大です。
とにかくこのような「内閣改造」は官僚機構に対するチェック機能を十分に果たせない、という事が明確であり、個人的には歓迎できません。
とかく日本の政治は「官僚主導」と言われますが、このような「頭のすげ替え」が最も大きな原因であります。
しかしすでに出来上がってきたのは事実。
我々国民は、託した訳です。
しっかりやって頂かないといけません。